|
夜空には満月を少し過ぎた月が光ってみえる。
いつの間にやら、オリオンも高く昇っている。 そして夜風は、既に冬の匂いがする。 こんな夜の散歩は、いろんな人を思い出させる。 冬の匂いを教えてくれた人のことや、オリオンを一緒に探した人のことなど。 懐かしさで気が遠くなりそうになる。 コンビニでミルクティーを買って、遠回りして家路につく。 そういえば、ミルクティーを一緒に飲んだ人は、今はどうしてるのだろう。 会いたい、会いたいと思っても、もう連絡を取る術がないのだけれど。 少し昔を思い出して、恥ずかしく、また微笑ましくなった。 ミルクティーの甘さを帯びた吐息が、夜の空気に解けていく気がした。 確か、冬の匂いを教えてくれた人とは、コーヒーを飲んでいたような。 思い出話はきりがない。 BGM;真冬のダンス / ASIAN KANG-FU GENERATION ('06)
昨日、昔アルバイトをしていた町の駅に降りた。
ショッピングモールに入るテナントが、少し変わっていた。 芝生には落ち葉が落ちていて、彫刻の下に若いカップルが座り込んでいる。 ハローウィンの格好をした子ども達が、笑顔で練り歩いている。 僕がいない間にも、ここには賑やかな週末がある。 そんな当たり前のことなのに、置き去りにされたような気がした。 懐かしいような寂しいような、ありがちな感慨だ。 秋空は高くて、誰かが手放した緑の風船が何処までも上っていく。 ひとしきり見上げていたら、長いあくびが止まらなくなった。 BGM; Stuck in a Moment You Can't Get Out Of / U2 ('00) Extra; バトン
秋の夜は長いから、海を眺めに行くことが多い。
今夜も青黒く緩やかに波打つそれを見に行った。 白く波間に映し出されるベイブリッジは、しばし僕をまどろます。 夜は長く、海は静まり、一人昏々と癒されていく感じがする。 ふと、コクトーの一節を思い出す。 BGM;The Golden Age / Beck ('02) Extra;彼女できました
|